2025年度 (令和7年度)
土木
取り組みの背景・目的
建設業界では、人手不足への対応や作業員の安全確保、作業環境の改善が重要な課題となっています。
また、国土交通省が推進する「i-Construction 2.0」においても、
ICTの活用による生産性向上や省人化が求められています。
弊社ではこれらの課題解決に向け、遠隔操縦型バックホウを用いた遠隔施工に取り組みました。
遠隔施工の全体像
本取り組みでは、現場のバックホウと操作室を通信で接続し、
映像と操作信号をリアルタイムで送受信することで遠隔操作を実現しています。
通信は、現場から中継室を経由し、インターネット回線を通じて操作室へ接続する構成となっており、
安定した遠隔操作が可能な環境を構築しています。
オペレーターは操作室から重機を操作し、現場では安全確認などの役割を担うことで、
安全性を確保しながら施工を行う体制を構築しました。
また、中継室では環境に配慮した水素燃料による発電を活用しています。
使用機械・システム
・遠隔操作対応バックホウ
・オペレーター視点カメラ
・作業状況確認カメラ
・周囲確認用カメラ・センサー
・操作用PC・モニター
・操縦デバイス(レバー等)
・映像・通信管理システム
複数のカメラ映像を確認しながら操作を行うことで、現場の状況を把握しながら安全に施工を行うことができます。
本取り組みは、コマツカスタマーサポート株式会社、
株式会社EARTHBRAIN、日吉建設株式会社のご協力のもと、実施いたしました。
作業内容と安全面での工夫
今回、掘削作業やダンプへの積み込み作業、法面整形作業を遠隔操作により実施しました。
また、安全面への配慮として、危険エリアへの立ち入り防止に加え、
複数カメラを活用した死角対策や、非常停止装置の設置および連絡体制の整備を行っています。
これにより、オペレーターが現地に行く必要がなくなり、
危険性の低減と安全性の向上につながっています。
作業実績と検証結果
遠隔施工の有効性を検証するため、
通常施工と遠隔施工の積み込み時間を比較しました。
初回は操作に時間を要しましたが、回数を重ねることで作業時間が短縮され、
操作に慣れることで効率が向上することが確認されました。
ゼロカーボンに向けた水素燃料の活用
今回の遠隔施工では、ゼロカーボン社会の実現を目指し、水素燃料を活用した発電を取り入れました。
砂子炭鉱では、石炭地下ガス化により得られたガスから水素を抽出しています。
抽出した水素はトルエンと反応させてMCH(メチルシクロヘキサン)化することで体積を削減し、
運搬を可能にしています。
現場ではMCHを水素とトルエンに分離し、取り出した水素を発電機の燃料として利用。
遠隔操縦型バックホウの中継室の電源として活用しました。
本取り組みは、フレインエナジー株式会社および北海産業株式会社と連携して実施いたしました。
新しい働き方への可能性
今回の取り組みでは、協力会社の女性事務員2名(勤務4~8年)が車両系建設機械技能講習を取得し、
遠隔操作による法面整形作業を行いました。
実機での操作経験を前提とした資格取得であったため、
遠隔操作には当初違和感があり、画面越しでのバックホウ操作に対する不安も見られました。
一方で、空いた時間に作業ができる点や、現場との関わりが深まるといったメリットも挙げられました。
弊社では今後も、ICT施工技術の活用を推進し、施工の効率化と安全性の向上に取り組んでまいります。