- 2008年4月20日 20:12
- 日記
今日も初夏の陽気な奈井江町です。(気持ちいいー)
陽気に誘われ、外に出て昼間からビールを飲みながら
まったりとした休日を過ごしました。
今日は、毎月メルマガを送ってくれる堀内さんのメルマガを
ご紹介したいと思います。
堀内さんのメルマガは、いつも読んでいる途中で涙が出てしまいます。
じっくりと読んでみてください。
「HERO’S PRESS!」~現場を支える小さな翼の天使達へ~
「母ちゃんと野球」
幼い頃に父が亡くなり、母は再婚もせずに俺を育ててくれた。
学もなく、技術もなかった母は、個人商店の手伝いみたいな仕事で生計をたてていた。
それでも当時住んでいた土地は、まだ、人情が残っていたので
何とか母子二人で質素に暮らしていけた。
娯楽をする余裕なんてなく、日曜日は母の手作りの弁当を持って、
近所の河原とかに遊びに行っていた。
給料をもらった次の日曜日にはクリームパンとコーラを買ってくれた。
ある日、母が勤め先からプロ野球のチケットを2枚もらってきた。
俺は生まれて初めてのプロ野球観戦に興奮し、母はいつもより
少しだけ豪華な弁当を作ってくれた。
野球場に着きチケットを見せて入ろうとすると、係員に止められた。
母がもらったのは招待券ではなく優待券だった。
チケット売り場でひとり1000円ずつ払ってチケットを買わなければ
いけないと言われた。
帰りの電車賃くらいしか持っていなかった俺たちは、外のベンチで
弁当を食べて帰った。
電車の中で無言の母に、「楽しかったよ」 と言ったら母は、
「母ちゃんバカでごめんね」 と言って涙を少しこぼした。
俺は母につらい思いをさせた貧乏と無学がとことん嫌になって、
一生懸命に勉強した。
新聞奨学生として大学まで進み、いっぱしの社会人になった。
母も喜んでくれた。そんな母が去年の暮れに亡くなった。
死ぬ前に一度だけ目を覚まし、思い出したように
「野球、ごめんね」 と言った。
俺は、「楽しかったよ」と言おうとしたが最後まで声にならなかった。
(出展「カーチャン」あおば出版)
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